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葉おもてに置く朝露の潔(きよ)らにも似て麻亜子さんの笑う声は/佐山みはる

ひこにゃんに人気及ばぬ公家顔のおおつひかるくん頬ふくらめる

苔生(お)える観音仏の前垂れの白鮮らけし巡礼の道

瀬田川に西日照る頃レガッタの人は必ず背中を見せて

草踏みて来る鳥の名は知らねども朝の河原の点景として

「ジムノペディ」夕の電車に流れ来て男のわらべが携帯開く

「逢いたい」と書きかけたメールしのばせて今日も一日(ひとひ)をやり過ごしたり

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2010.07.27 Comment:2 | TrackBack:0
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Selection 5月号*会員1欄

救いもせず救われもせず着ぶくれて籠もれる日々をミモザ咲き満つ/佐山みはる




5月号より選んでいただきました。
掲載は5月号ですが、歌稿を送ったのは3月初めです。

2010.07.01 Comment:0 | TrackBack:0
花かげの日本を出(いで)て春のない島国におり三時間のち/佐山みはる

「ニッポンハサクラガアッテイイデスネ」ガイドの丘(きゅう)さんはにかみて言う

痩身の女にやすき石段のむかし遊郭ありし九份(きゅうふん)

さくらばな乏しくなりたる公園に来てみればもうだあれもいない

淋しさを告げられなくてカーソルの行きつ戻りつする雨の夜

沈黙が君の答えであることを春泥の中歩み来て思う

半身裂けて立つ樟を過ぎるときしゅるりと隠る虹色の蛇


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台湾・九份
2010.06.30 Comment:0 | TrackBack:0
水無月集(会員1欄特選)に掲載していただきました。



「まほろばの月」 / 佐山みはる


見るべきもの見つと言いしか大銀杏どうと倒れて不穏なる春

ルームキー静かに回すたまゆらを数多の死者の声湧き立てり

咲き初めし桜の堤たどり来て由緒正しき佐保川を越ゆ

佐保池ゆ振りさけ見れば薄ら日に大殿(おおとの)の鴟尾にぶく光れる

かじかむ手に息ふきかけて法華堂氷(ひ)のごとき床を踏みしめて入る

二月堂より下る甃(いし)みちに木蓮の花ふくふくとわれを待ちおり

夫(つま)や子を捨て来しここちに月わびて五重塔の甍照らしぬ

遠くまで助けむとして右手(めで)長くなりし菩薩に逢いて別れき



二月堂・木蓮





2010.05.26 Comment:4 | TrackBack:0
短歌人5月号が届きました。



日曜の上野公園おちこちに配給を待つ列が伸びゆく/佐山みはる

南中に日がまわる午後を影長き二人となりて参りゆくなり

大それた望みにあらず引き結ぶ君の末吉われの小吉

うつの子を遺して逝きし彼の女(ひと)の心残りか激しく降れよ

救いもせず救われもせず着ぶくれて籠もれる日々をミモザ咲き満つ

咳込んで目覚める夜更け留守電の赤いランプが目守るごとし

切れ切れの夢のつづきに若き日の母あらわれてまた叱られる




4首目の結句が誌上では「激しく降れる」になっていますが、自作は「激しく降れよ」です。
2010.04.27 Comment:0 | TrackBack:0
あらたまの年の初めをさだまさしコンサートにて迎う目出度さ/佐山みはる

焼き鳥を焼くなき今日は国技館地下工場の静まりており

さだまさしの歌を聴かせて椎茸を栽培しおりカシヒラさんは

さだまさしの歌を聴きたる十津川の椎茸なれば写真に収む

つらなめる参拝客に神官は使い捨てカイロ渡しくれたり

成人式待たずに逝きし子の手帳のプリクラシール色褪せている

振袖に華やぐ駅に地下街に今年は優しいピンク多かり






さださんネタ短歌です(笑)
十津川村の樫平さんも登場。「まさしいたけ」美味しゅうございました。
2010.03.28 Comment:0 | TrackBack:0
この先に魔法使いが住むような古家がありてアロエはな咲く/佐山みはる

ぼうぼうと草生う庭に錆浮ける竿のごときが横たえてあり

「まだにえない」ふいに声せり大楠の下に車の窓ひらく時

「また夢になるといけねぇ」三遊亭円楽のサゲの間合いを真似てみるなり

                         ※三遊亭円楽=えんらく

CDに在りし日を聴く『芝浜』の夫婦喧嘩の緩急よけれ

さて、というさまに引退したき世の冬には冬の花を愛でつつ

連なれる赤い鳥居をくぐりぬけたどりつきたり天神様に



五代目・三遊亭円楽師匠への挽歌、掲載していただきました。
おりしも六代目・円楽になられる楽太郎さんの襲名披露興行が、3月21日から開催されます。
腰痛と相談して、どこかの寄席に聴きに行きたいと思っています。チケット取れるかなぁ。
2010.02.28 Comment:2 | TrackBack:0
三年ぶり帰るこころに有明の海をかすめて飛ぶかもめどり/佐山みはる

“くんち見るばか”と呼ばれるうれしさよシャギリの音を追いかけてゆく

百五十キロひとり支えて傘鉾をくるりくるりとおのこは回す

アンコールの意味持つことば「もってこーい、もってこい」われも大声に言う

三百年つづく祭りぞ原爆の年にもありきと聞けばかなしも

「お鰭(ひれ)をどうぞ」と言われるまでは食すならじしきたりとして正座して待つ

中島川沿いに咲く緋の曼珠沙華長崎はまた帰りたい町

2010.01.26 Comment:0 | TrackBack:0
エステマシンなるを買いたり今さらと少しく思いつつもこの秋/佐山みはる

レインコート着せられラブラドール犬はパン屋の前に正しく待てり

ほんとうは人間が怖いわたくしは「害なき人」の位置守りたし

饒舌にすごせばこころほころびて或る日はひとを遠ざけており

こうもりが飛ぶ夕暮れの川に来てちいさく泣きし嘘つき少女

驚異なる規模に迫り来る台風にわれは決断をせかされており

意を決して乗る最終ののぞみ号博多行きゆるりとホームを離る
2009.12.28 Comment:2 | TrackBack:0
短歌人12月号の年末恒例題詠に参加しました。


ふやけたる足裏ならべて海の昼赤いウィンナはホイルの中に

小学生の頃、母の機織り仲間とその子どもたちと、夏の間なんども潮干狩りに行った。家を出るときから私は水着を着て、浮き輪も持って行ったと思う。親たちが夢中で貝を採っている間、子どもたちは潮溜まりでイソギンチャクやヒトデをつっついて遊んだ。大きな麦藁帽子にタオルでほおかぶりした母が、ときどき「おーい」と手を振った。きれいな包装紙に包まれたお弁当には、いつも真っ赤なウィンナーが入っていた(佐山みはる)
2009.11.27 Comment:4 | TrackBack:0
四十年前フランス人として死せり藤田嗣治八十二歳

『寝室の裸婦のキキ』なる蒼白の肌にネコ科の眼を持つおんな

どうしても好きになれない『寝室の裸婦のキキ』というまっ白な女

呼び物の超大作に感動の薄きわれなりさむざむとおり

偏愛の猫好きならめコラージュのごとく子猫をしつこく配す

なぐさみの手仕事なれば楽しけれ猫の絵皿のほのぼのとして

レオナールフジタ眠れる礼拝堂の写真の空に虹かかりたり




15首まるごと、レオナールフジタの展覧会を詠みました。
2009.11.26 Comment:2 | TrackBack:0
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さだまさし無料ライブに二千人来てピーカンの梅雨の日の午後

好運な100名様にわれも入り百貨店屋上の握手会

三千円ごとに抽選の六回目いちまいの握手券を得たり

くちぐちに何か言い合い両の手を握り握られ列は進むも

君に似る普賢菩薩を去りがたし立葵の影ながくのびくる

この仏像が好きかおまえもナツアカネついと止まりて動かざりけり

死ぬまでは生きるわれなり手のひらにまろばせているあおき実ひとつ





1首目~4首目は、6月にT武百貨店で行われたイベントを詠みました。さだ短歌です(笑)
「ピーカン」ってわたしはよく言うのですが、一般的ではないのかしら?業界用語?
5首目~7首目は、明治寺・献灯会。ちなみに「君」はさださんではありませぬ(苦笑)
2009.10.27 Comment:6 | TrackBack:0
後撰和歌集
<こひこひてあはむと思ふ>夕ぐれにささの葉ゆらしまた雨がくる

しみじみと会いたくなりぬ結い上げし髪をほどきて梳(くしけず)るとき

愛されている愛されているはずと鏡に向かえば耳とがりたり

はしなくも君が口からこぼれたる『鬼の研究』未(いま)だ読まねど

透きとおるばかり白妙の夏椿一日咲きて散るは羨(とも)しも

旧仮名に人思わるる夕ごころ飛天の雲の流れるを見き

新月の“お願いリスト”に書き足して(淋しくならない)小さく畳む


2009.09.27 Comment:0 | TrackBack:0
西武線高田馬場から三つめの新井薬師に心は急(せ)きぬ/佐山みはる

関わりなき女にあらざればゆくりなく末期となるにこころ痛みつ

愛も憎も豊けくあればかく強く命終えんとする君が妻は

土鳩とて物思いして動かざる哲学堂にわれも来たれり

ソクラテスと呼ばれいるらし白猫は病葉(わくらば)の上に寝そべりており

<子供より親が大事>と呟けばこらえきれずに雨降り出せり

六月はわが生まれ月美しき死者も出て来よおぼろ月夜は

2009.08.27 Comment:0 | TrackBack:0
仰ぎ見る首吊りの木に麗しくゆうべの月の懸かりていたり

首吊りがありし桜と聞きしかど朝に夕べにそのもとを過ぐ

もう棄てよう棄ててしまおう読み飽きた手紙のようなこのわれをこそ

たんぽぽの綿毛にかがむ君の背にシャッターを切るこころの中で

君が語るふるさとの海その青をわれは知らねどうなづきて聞く

爆風に似て特急の過ぎる間を地下駅に髪逆立ちており

幸せを感じるときは短くて開いてはまた閉じるダイアリー

                        2009年8月号/佐山みはる
2009.07.26 Comment:0 | TrackBack:0
台湾見聞記/佐山みはる


ふるさとを離れデラシネのごときかな淡水河を下りてゆけば

薄暗き部屋に4,5人蠢いて妖しさは増す紅い寝台

かしづける男の前に横臥して足裏晒すは痴戯にかも似る

うつぶせのわれの背骨のぎしぎしと踏まれる時に声は漏れけり

まじまじと見てしまいたり身じろがぬ儀仗兵なる若き男を

徴兵制なき幸不幸ほほしまる若きにわれの子を重ねたり

行進の痕が茶色く染みゆきて石畳の上に線となるまで


                   ※淡水河(ダンシュイホー)

2009.06.29 Comment:2 | TrackBack:0
草木も眠れる時をベルは告ぐ非常事態ぞ疾く目覚めよと(佐山みはる)


一夜明け陽に暴かれる火事の家消火の水をしたたらせつつ


腹わたを晒し続けて焼け跡のようよう更地となりぬる弥生


焼け跡の木蓮切られ捨て置かる土の上にも春の陽の射す


きらめける銀の飛行船春の空をのたりのたりと渡りて行きぬ

                          銀(しろがね) 
                          飛行船(ふね)

白蓮展出れば風の昼下がりやり直すには若さが足りぬ

                          出れば(いずれば)
2009.05.28 Comment:4 | TrackBack:0
夢ざめてなお捕らわるる一日よ捨て歌ばかりで重くなるノート(佐山みはる)
2009.05.02 Comment:2 | TrackBack:0
取りいそぎ喪の列に連ならんとす夢に覚めてもやまぬ動悸は(佐山みはる)
2009.05.01 Comment:3 | TrackBack:0
待ちぶせのヒースクリフに遭うような予感に歩む風強き夕(佐山みはる)
2009.04.30 Comment:4 | TrackBack:0
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