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朽ちかけたオビラひとつを置き去りに秋の砂丘の昏れはじめたり


一滴の血もこぼさずに切りてみよ朝明の薔薇に挑まれてゐる


髪を解く、髪を束ねる。やはらかく土巻き締むる木の根のこころ


送り出でて鞄手渡せるときぷんと薬用石鹸かをりくるかな


やすらかに忘れられむと朝あさをわれはしつかり家族見送る


植物にもどりたき日のひだり手を球根の辺(へ)にしばらく活ける


見届けてやらむらくだの瞳(め)のやうなみづうみにきみの溺れきるまで


張りつめし弦潜むらむ冬の空まなこ閉づればすなはち鳴りぬ


              福井和子(ヤママユ所属)
              第45回角川短歌賞受賞第一作より

                      「短歌」平成11年12月号掲載
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2005.12.07 Comment:0 | TrackBack:0
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