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題詠2007に参加された方のお歌を、ゴールされた順に鑑賞させていただいています。
作者様に敬意を表して、私なりに一所懸命コメントしたいと思いますが、的外れな歌評になるかもしれません。


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☆大辻隆弘さん
 ブログ 題詠100首のために



001:始
始まりといふのに既につまんないグレーを窓に呼び出してゐた


012:赤
アレクセイ・フョードロヴィチが踏む雪の窪みに滲みたりし赤いろ


020:メトロ
管とくだ絡まるメトロ路線図はあるいは帝都の腐るはらわた


030:いたずら
ひとしきり貴方の頬が陰翳を刷きたることも雲のいたづら


037:片思い
夏服の袖よりのぞく白き腋、片思ひしてるのだと気づく


048:毛糸
ひだりから右の手首へ走りゆく祖母の毛糸のくすぐつたさよ


050:仮面
はづされた仮面のやうに街上に麝香揚羽のひとつ落ちゐつ


066:切
遠き夏、ひきいだしたる葛切りをひやりと舐めて控へたる舌


072:リモコン
リモコンの突起をぷにゆ、と押さふればぷにゆと震へて替はるチャンネル


074:英語
ベーオウルフそのかぐはしき古英語の頭韻を聞く秋のあしたの





有名歌人の歌を評するなど、恐れ多いですが・・・・


012:赤
固有名詞(人名)が効いている。「アレクセイ・フョードロヴィチ」は、『カマラーゾフの兄弟』の登場人物でよいだろうか。

020:メトロ
地下鉄路線図を内臓に見立てた歌はほかにもあったと思うが、「腐る」が効いていると思う。

030:いたずら
美しい。抒情歌。

037:片思い
女生徒の、光に似た腕を思った。
私なら、袖を捲くったところ(もちろん男性の)が好きだ。ワイシャツの後ろ肩とか。飲み干すときに上下する喉仏とか。

048:毛糸
懐かしい光景が浮かんでくる。今はもう、ほどいて編みなおすなんてしないだろうな。
「手編み」を買う時代だもの。

050:仮面
顔の上半分だけを隠すだけの小さい仮面。ヨーロッパにはきらびやかなものがある。麝香揚羽の翅の比喩として成功している。

074:英語
「ベーオウルフ」は、中世イギリスの英雄ベオウルフの冒険を語る叙事詩。
デンマークを舞台に、勇士ベオウルフが夜な夜な巨人や炎を吐く竜を退治するという英雄譚という。


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大辻隆弘さんの歌集
『水廊』 第1歌集  1989年  
『ルーノ』 第2歌集  1993年  
『子規への遡行』 歌論集  1996年
『抱擁韻』 第3歌集  1998年  
『デプス』 第4歌集  2002年
『大辻隆弘歌集』 現代短歌文庫48 2003年
『夏空彦』 第5歌集 2007年
2007.12.21 Comment:0 | TrackBack:0
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