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題詠2007に参加された方のお歌を、ゴールの順に鑑賞しています。
作者様に敬意を表して、私なりに一所懸命コメントしたいと思いますが、的外れな歌評になるかもしれません。

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☆村本希理子さん
ブログ きりころじっく2


001:始
わたくしの始まる場所を問うてみる詰りかけたる排水管に

009:週末
週末のひびき哀しきことを言ふひとを残して家路につきぬ

019:男
麻紐の結び目にさへ女男ありて脳の髄をつよく縛れり
                   女男/めを 脳/なづき

057:空気
自転車のタイヤの空気を入れてゐる人の背中に筋肉動く

059:ひらがな
深海の魚の名前をひらがなにひらく指のほのか明るむ                
                   魚/うを 指/および

066:切
俎に滲むゆふやけ にんじんを半月・銀杏と薄く切りをり

070:論
天神のにうつと白き存在論 種噛み砕き取り出だしたる

080:富士
鈍行に行けば懐ふかき富士 裾野を長く出でられずゐる

088:暗
暗がりに右手ゆるりと差し入れて熱き肌もつ容器を探す

098:ベッド
蟋蟀のポーズといふを試みる畳ベッドに晩夏の雨音



***

001:始
人は、自分のレゾンデートルを問い続けるものらしい。作者は、なぜか「詰りかけたる排水管」に見出そうとしている。そこが、一首を面白くしている。

009:週末
いろいろなことを考えさせる一首。老いた親を訪問したかえり道かな。ひょっとして、週末は会えないわけありの人とか。

019:男
紐の結び方に「男縛り」「女縛り」がある。結び目のかたちからそう言われているらしい。
(余談だが、独楽に紐を巻き付けるのにも「男巻き」「女巻き」があるそうだ)
上の句が解説なのに対して、下の句「脳の髄をつよく縛れり」でびしっとしめている。いや、縛っているかな(笑)

057:空気
「人の背中に筋肉動く 」のをよく観察している。
自転車のタイヤに空気をいれいる人は自転車屋のおじさんかも知れないが。どういう関係の人だろうと思わせる。

059:ひらがな
漢字をひらがなに書きなおすことを「かなにひらく」という。
深海魚はよく知らないので、「チョウチンアンコウ」と言ってもカタカナでしか頭に浮かばないが。漢字で書かれていたとしたら、とっても怪しげな文字面になるのだろうなあ。
かなにひらくことによって、暗い海底にいる魚にスポットがあたるように思える。作者の指も白く光ってくるようだ。

066:切
にんじんを切っているうちに、まな板が赤くなっていくようすを「ゆふやけ」色と見ている。

070:論
「天神」は、梅干しの種の中にある実(さね)のことだろう。小梅なら種をかみ砕きやすいが、なかなかやらない行為かも。「にうつと白き存在論」が上手い。

080:富士
鈍行に乗ってみたら、そうなんだろうなぁ。あんなに大きな山だもの。
焦燥感というか、土地に縛られているもどかしさが感じられた。

088:暗
「ゆるりと差し入れて」に合点。暗がりに手を差し入れるときは、ぜったいに「ゆるり」だと思う。

098:ベッド
ヨガのポーズの一種だろうか。ゆるやかに流れるひとときが感じられる。
2008.03.05 Comment:2 | TrackBack:0
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