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『短歌』3月号に掲載された小島ゆかりさんの30首より。


よく晴れた冬空をひとりながく飛びこらへきれずにカアと鳴きたり/小島ゆかり


こらえきれず鳴いたのはカラス・・・いいえ、泣いたのは「私(作者)」だろう。
小島ゆかりさんの歌は、悲しみや苦しみを詠っていても、不思議にどこか救われるように感じられる。
この歌も決して「悲劇のヒロイン」にはなっていない。本質的に明るい性格の人なんだろうな。


ちちははを置きざりに今日は街に出て冬の猿(ましら)の歩みをしたり/小島ゆかり


「猿の歩みをしたり」と詠えるのは、小島ゆかりさんのほかにはいないとさえ思われる。
30首一連は、認知症の父親と年老いた母、二親を見守り支えるひとり子の作者の日々を詠っている。
ゆかりさん、ここまで詠ってしまっていいの?と心配しつつ、恐縮する思いで読んだ。
作者は、短歌の形式に全信頼を寄せ、詠うことで平静を保っていられるのだろう。これまでもずっとそうしてきたのだと思う。

最後に、30首の中でいちばん好きな歌を。

山茶花をついばむ鴉、遠ざかり見れば鴉を囲むさざんくわ/小島ゆかり
2009.02.27 Comment:2 | TrackBack:0
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