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朝日新聞5月16日夕刊より


なべて喪となる/黒瀬珂瀾


かの夜はくれなゐの父生きてゐてきびなごの屍にレモン搾りぬ

朱鷺色といふ色ほろびゆかむかな空の奈落が地を包むゆえ

吾をまだ友と思ふか早朝の気を吸ひながら掃き出す灯蛾

父死して後のなべては父の喪か水張田に水見渡すことも

藤棚に夜露のごとく花序ありて我が人生の脇役に吾

数珠の紐縒(よ)りつつ思ひ出すララァ・スン少尉その前職娼婦

はつなつの白雪罌粟や選ばれて咲くとは硝子越しの残酷

みな人は遺族であれば此れの世に吾が遺すべき汝(な)が耳を噛む



黒瀬珂瀾(くろせからん)
77年生まれ。「[sai]」「未来」「鱧と水仙」に参加。
歌集に『黒輝宮』『空庭』

2009.05.16 Comment:0 | TrackBack:0
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