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先週のことになるが、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の展覧会に行った。エコール・ド・パリを代表する著名な画家だが、正直に言うと私好みの画風ではないので、今まであまり興味を持っていなかった。チケットを買っても見に行く気になったのは、作家の高樹のぶ子さんのエッセイを読んだからだ。

~彼の色調をひと言で言うなら、「艶乳白(えんにゅうはく)」だと思う。豆乳の浮遊膜のような、滑らかで暖かなクリーム色。バニラクリームを思わせる。限られた絵の具だけを使うことを、自らに課していたに違いない~(高樹のぶ子「視力」)

ウィキペディアによると、その特徴ある白は、硫酸バリウムを下地に用い、その上に炭酸カルシウムと鉛白を混ぜた絵の具を使っていたそうだ。炭酸カルシウムは油と混ざることによって、ほんのり黄色味を帯びるのだとか。高樹さんが言うバニラクリームの色だ。しかし、炭酸カルシウムがなんたらかんたらと言ってもピンとこない。それなら、実物を見てきましょとなったわけである。ああ、前振りが長かった。
大絶賛されている「乳白色の肌」の実物の見ごたえはじゅうぶんあった。長らく多くの人の心を捕らえ続けてきた理由がわかった気がする。それでもやはり、画風は好きにはなれなかったけれど。裸婦像よりも夫人のために手作りした木の小箱や、ユニークな猫の絵を描きいれた食器類の展示が面白かった。レオナール・フジタは、木工や陶芸、裁縫までこなしたという。もっとも心惹かれたのは、最後の仕事となったランスの「平和の聖母礼拝堂」のステンドグラスや装飾品、壁画のデッサン、礼拝堂の模型。これはまさに人生の集大成と言える大仕事だ。情熱を注ぎ尽くしたであろう。本当にすごい画家だったことを遅まきながら理解した展覧会だった。




2009.07.30 Comment:0 | TrackBack:0
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