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12日の歌会後に行われた研究会は、村田馨さんのレポートによる「短歌往来」3月号掲載の高島裕(ゆたか)さんの『氷のつばさ』33首をテキストに。

高島裕さんは富山県在住。年齢は40歳。
『旧制度(アンシャン・レジーム)』、『嬬問ひ』、『雨を聴く』と三つの歌集を上梓。
現在は退会されているが、結社「未来」で岡井隆さんに師事されていたそうだ。
個人誌「文机」を発行しておられるほか、黒瀬珂瀾さん、生沼義朗さんらと短歌誌「SAI」にも携わっておられるとのこと。

第一歌集から現在に至る間に高島さんに大いなる変化(イデオロギーに関して)があったそうだが、私はほとんど初めて作品に触れたのでよくわからない。
端正な歌だと思う。どことなく寺山修司に似ていると思った。
同席のどなたもそんなことを言われないので(「岡井隆の方法論に受け継いでいる」という意見があった)、発言はしなかったけれど。
どこがどう似ているのか。おそらくその「手法」が、としか言えないが、ナルシズムとかニヒルな自分を演出しているところとか。
たぶん寺山修司の感性が好きだった頃の私(十代の頃)だったら、いまの高島さんの世界にすっと引き込まれたのではないだろうか。

研究会は二十数名の参加だったが、否定的な意見が多かったと思う。
「自己陶酔」「ネガティブな自己愛」「孤のポーズ(イメージ先行)」「美意識でまとめようとしている」「あまったれ」「父性への思慕」「右傾化」などの感想が聞かれた。



高島裕/『氷のつばさ』より


氷塊を呑みたるごとき心かな 9.11以後を存(ながら)ふ

わが裡の闇に腐らぬ骸あり 蛍びっしり貼り付く骸

われのほか誰も入るな 月に照る蒼き氷湖のごときわが国

父よ、亡き父よ今夜(こよひ)を天降(あも)りきて戦争(いくさ)のことも語り給えな

百年の家居の闇に抱かれつつ童形のまま老いゆくわれか

あるほどの幸せよ来よ、あやまたず凍土の胸に抱きとめてやる

わが道の行手はるかにふりかへりほほゑむひとよ 軍装のひと

降り烟る雪のさなかにひとり居り 至福といふはかくの如きか

わが歌は氷のつばさ いつしんに雪のかなたシリウスを恋ふ

薄明か薄暮か知らず ひとり目覚めて生まれたままの寂しさにゐる
2007.05.17 Comment:2 | TrackBack:1
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