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『叙情文芸』第122号に寄稿された香川ヒサさんの「二十一世紀」より



カーテンを開ければ朝の空が見え私はここに今来たばかり

顔を洗ひ歯を磨きたり 「一切は『する』とふ動詞の無限の活用」(カーライル)

できごとを満載したる新聞はきつちりたためばきれいに片付く

「まだなかなか片付きやしないよ」 こぼしたるミルクが床にうすく広がる

「まだなかなか片付きやしないよ」 日記には書けないやうなことが増えゆく

漱石が聞いたカーライルが聞いた音 カーライルハウスの階上りつつ

見てゐれば見ているほどの透明になりゆく硝子 二十一世紀



   注・「まだなかなか片付きやしないよ」 夏目漱石『道草』


「顔を洗ひ歯を磨きたり」の歌、カーライルの言葉を呼応させて面白いと思った。
「漱石が聞いたカーライルが聞いた音」も、一瞬「んっ?」と思う表現がなかなか楽しい。
結句の「階上りつつ」で、作者がイギリスのカーライルハウスを訪ねたときのことを歌ったのだとわかる。
「カーライルハウスにをりし「丸顔の婆さん」更新されている世界」という歌もあった。
漱石の足跡をたどっての旅だったのだろうか。
イギリスのカーライルハウスには、漱石の署名(夏目金之助)が残っているという。




友人から貸りた『叙情文芸』第122号には小島ゆかりさんのインタビューもあった。
この本の主力は読者の投稿。詩も書き、短歌も詠い、俳句も吟じる器用な作者も見受けられる。
短歌の選者は河野裕子さん。俳句の選者は坪内稔典先生。
短歌のコーナーでは、河野裕子さんいわく「地味で堅実な歌風」の特選のお二方よりも、入選作のほうが光っていたと思う。

河野さんも最後まで迷ったという入選の越水サトさんの歌を紹介する。

ラチャダムリ駅を降り大林組ビル横過ぎて水溜り跳ぶ /越水サト
かなり大きな犬と寝る女のうえを風がふくなりここちよからん
逆光にフルフェイスマスク混ざり来YAMAHAあHONDAあ あああああ
2007.05.20 Comment:0 | TrackBack:1
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